ハリウッドで出会ったヒッピーさんの与太話
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※最終更新2018年3月1日
前回の話はこちら。
酒が飲みたくてバーには入ったものの、急にお腹が空いてしまい、僕とザリガニさんはビーフバーガーとフライドポテト(現地ではフレンチフライ)&オニオンリングをオーダーした。
すると、バケツに盛ったようなバカでかい山盛りフライドポテト&オニオンリングと大量のフライドポテト&オニオンリングを付け合わせにしたハンバーガーが出てきてテーブルが瞬く間にフライドポテト&オニオンリング(くどいので以下、オニポテ。)だらけになった。
僕のこれまでの生涯にわたる大いなる疑問なのだが、なぜ外国人のウェイターやウェイトレスは日本人と違って、客のオーダーを受けながら、「二人でこのオーダーだとオニポテ地獄になりますよ?覚悟はできてますか?」とか、「オニポテはハンバーガーにも腐るほどついてるよ?それでもキミは単品オニポテを頼むのかい?」みたいな忠告をしてくれないのだろうか?
別にオニポテに限ったことじゃなくて、オーダーされた料理の中身をイメージして、これは量的にやり過ぎじゃないかっていうボーダーを越えていたら教えてくれてもいいよね?お客さんは頼んでみないとわからないんだからね?特に外国人はわからないんだよ?言われた料理名を紙に書いてオーダー通すくらいなら猿でもできんだよ!猿の真似事か?!そんなことならやめちまえこのボケが!!
とまでは思ってないけど、まぁとりあえず困るんだよねアレ。
オニポテのフルコースにすっかり意気消沈してお酒も喉を通らなくなったので、まだまだ余ってるオニポテ達をテイクアウトしてホステルに戻ることにした。
僕 :「腹苦しいですね。オニポテ。」
ザ : 「ええ、オニポテまじきついっすね。」
苦しさのあまりに僕らの会話も少なくなり、粛々と夜道を歩いていた。
ちょうどホステルの目の前に到着する頃だった。
白人のヒッピーみたいなにーちゃんが話しかけてきた。
ヒ: 「お~いおまえら、タバコくれ~い。」
日本語にするとたぶんこんな感じ。めっちゃ泥酔している様子で、ロン毛を後ろで縛ったような髪型で、身なりは小汚ない。片手に紙袋に包んだビールを飲みながら歩いていたようだ。
*カリフォルニア州は州法でお酒を外で運ぶときはむき出しにしないように紙袋に包むことが義務づけられている。
僕もザリガニさんもタバコを吸っていたが、アメリカに着いてからというもの外にでれば誰かがタバコを物乞いしてくる。特に黒人。終盤こそ我々もアメリカの高いタバコを買っていたし面倒になって断るようになったが、当初はこれも現地人との会話のきっかけになるかぐらい思っていて、物乞いには躊躇無く与えていた。
そのヒッピーさんにもタバコをあげた。しかし彼はタバコをもらっても立ち去るわけでもなく、何やら話を広げはじめだす。
ヒ : 「おまえらジャパニーズ達はここで何してんのよ?」
つたない英語で、僕らはいま世界一周旅行をしていてアメリカが始めの国であるという話をした。
ヒ :「そうかそうかぁ。旅はいいよなぁ。旅は。お、なんか旨そうなモン持ってんな。くれよ。」
いよいよ乞食らしさを出してきた。僕らは満腹なので、オニポテを差し出す。別に構わない。
ヒッピーさんはオニポテのテイクアウト用容器に手を突っ込んで無造作につかんで食べ始めたと思ったら、急に地面にペッと吐き出した。
ヒ : 「マズッ。」
殺意を覚えたが、あまりにも自然にやってきたのでもはや反応できなかった。
ヒッピーさんは立っているのに疲れたのか今度は座り込んで話を続ける。
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話クソなげぇ…
ヒ : 「よーするにだぁ、お前がどこに行って何をしたいのか?人生に何を求めるのか?どんな女とやりたいのかっていうのが重要なわけよぉ。わかるかぁ?」
いよいよ僕らは限界を迎えた。
僕・ザ「グッドナイト!!」
と言って立ち去った。
うるせんだよこのカマヒッピー野郎が。ゴタク並べてないではよシャワー浴びて寝ろや。
と僕はガチで思ったのを覚えている。
そもそもハリウッドという洗練された街になぜヒッピーがうろついていたのかわからなかったが、日本にも新宿あたりでホームレスがいるように、アメリカにもたくさん似たようなのがいることを知った。もっとも、日本人ホームレス達は他人に物を乞うことなどまず無く自分で物資を集めて路上生活しているが。
これも農耕民族と狩猟民族という先祖の血の違いからなのだろうか。それともキリスト教の「他人には与えよ」精神から来ているのだろうか。
よくわからなかったが、これをきっかけに僕の中では「日本のホームレスの方が断然スペックが高く、害がない。」という結論に至った。
そんなことを考えながら、この日僕はホステルのドミトリーで眠りについたのだった。
次回の話はこちら。